多分初の四国旅行・愛媛に行ってきた
['15 愛媛旅行]
去る9/18~21の日程で愛媛に行ってきた。松山には愛媛大学に行った高校からの友人H氏が下宿していて「いいよ!来いよ!」と言ってくれていて、私としては1回生の時からずっと行きたかったのだが、1回生時は自転車でたどり着けず断念、2回生時は鉄道で向かおうとしたものの台風直撃で橋が渡れなくなり断念、そして今回3度目にして悲願の愛媛訪問となった。
※縦向きの写真が何故か横向きになっていますがご容赦ください。
9/18
京都-大阪南港-(オレンジフェリー船内)
夜出発…のはずが、急遽野球の用事が入って午前中に太陽ヶ丘まで自転車で行くことに。結果として早起きしたのに全然用意が出来ず、しかも出発前に見ておきたかった蒼き鋼のアルペジオを見ていたりなんやかんやしているともう日が暮れてしまう。疲労困憊の中で慌てて準備を整えてさあ出発。旅行なんかでいつも帰るのと違う方向の電車に乗る時ってワクワクする。いつもの駅も違って見える。
淀屋橋で地下鉄に乗り換えて、駅設置の時刻表が「←2~4分間隔→」だったのが全部時刻が書きこまれているようになっている?と疑問に思ったりとか中央線で千日前線用25系を見かけたりして一人で盛り上がっていると南港フェリーターミナルに到着。

南港フェリーターミナル

ポスターがかわいい
予約していた番号を記入して窓口に渡して乗船する。フェリーが予約できてよかった。夜行バスがシルバーウィークでことごとく満席で焦ったのだが、フェリーはその点キャパが大きいので多客期でも頼りになって良い。


そこそこ混んでいることだし、まず船内でご飯にする。しかし、ここで私はシルバーウィークを甘く見ていたことを悔いることになる。レストランにはまさかの長蛇の列。しかも困ったことにはそれに対応する船員が3人しかいない。客の量に対し処理が追い付いていない。並んでいる間に9:45を回ってしまい厨房を閉じるためにメニューが少なくなってしまう。カツ丼が食べたかったのにアサリの酒蒸しとカレーになってしまった。

ただ、食べてみるとどっちにしろおいしいので文句はあまり無い。一つ文句を言うとしたら、アサリの砂抜きが甘いということぐらいか。まあこれも予想できたことなのでまあ良い。アサリは410円だが大量に入っていて飽きるぐらいアサリを堪能させて頂いた。カレーはまあ普通のもの。レトルトなのかよくわからんがおいしい。量もそこそこ。
食事を終え、船内散策へ。内装が豪華で良い。最上階には展望ラウンジがあり、自動演奏ピアノが優雅さを演出している。


船員が片手間で弾くとかいうことは無いようだ。確か新日本海フェリーに乗った時は船員かプロの人の演奏会があったような気がするし、やっても良いんじゃないかなと思ったが、音楽のワカラン私にとっては上品なピアノの音色だけで幸せになれて良かった。とにかく、パブリックスペースが多いというのは快適で良い点である。


外へ出るともう(もっとも、時間的に当たり前)真っ暗で、明石海峡大橋が遠くに見える。暗くて遠くに街の明かりが見えるというロマンチックな景色だからか、階段やら手すりやらに腰かけたりもたれたりして愛を語り合うカップルが多くて閉口したが(苦笑)、展望デッキも他のフェリーより歩ける範囲は広いように感じた。瀬戸内海だからか電波が入りやすいのも良いところ。大学の友人がフェリーを嫌がる大きな理由に「電波が入らない」というのがあってあんたらスマホ中毒かと思ったがこれなら大丈夫である。
一通り回ったら風呂に入った。フェリーを利用する度に移動+宿+風呂で併せて考えると運賃は安いと思うが、オレンジフェリーは風呂も充実していてしょぼい銭湯となら互角、いやそれ以上に渡り合えるのではなかろうか。サウナもついていて、普段の風呂には無い楽しみがあった。しっかりと石を焚いていて、温度も良かった。私は本場フィンランド流に少しでも近い入り方をする為にサウナの後に水風呂に入るのだが、若干ぬるくてまあそれも丁度良かった。客が多すぎてシャワーの湯加減が安定しなかったのだけが不満だったが、まあ仕方ない。
風呂上がりに展望室でリアルゴールドとココナッツサブレを飲み食いしながらこの日記を書いている。明日は6時到着で早い。そろそろ寝るか、宅建の勉強をするか…。
9/19
(オレンジフェリー船内)-東予港-今治-松山-内子-下灘-伊予上灘-松山
朝、空調が寒くて起きる。寒かったこともあり、眠りが浅かった。5時15分頃に目が覚めた。二度寝を考えたがもうすぐ5時半、眠いがもう起きることにした。しばらくすると船員さんが電気を点けに来て、船内は明るく、そしてメロディが流れるようになった。身支度をして展望甲板へ行くと丁度良い清々しい風が吹いていた。近くに見えた東予の港はもうすぐ日の出。船内に戻ると朝食にもやはり長蛇の列。シルバーウィーク侮り難し。


やがて下船の6時に。無料(ここ重要!)連絡バスに乗り換えて今治を目指す。

今治まで相当な距離があるが無料で、しかも時間を合わせて運転されるバスは非常にありがたい。

今治駅
今治駅からは折角の機会なので特急いしづちに乗ってみた。普通が思ったよりゆっくり走るので、まあ500円ぐらい贅沢してもよかろう。2000系は振り子式車両でカーブの度に傾斜がかかり、ふわりとした独特な乗り心地であった。これで酔う人もいるそうだが(同じ振り子式でも381系とか酷いみたいですね)、私は気に入った。意外だったのが車内に通学と思しき高校生が多くいたこと。このへんでは通学に特急が使われるのだろうか。確かに、普通列車は遅いし本数が少ないし不便であるが、関西ではあまり見ない光景だったので意外だった。特急定期があるのか知らないが、速達列車で快適に通学する方が貴重な時間を浪費しなくて良いだろう。大学生になった今となって痛感することだが、特に高校生活では時は金なりである。

普通列車

特急2000系
起きた時間が時間なのでうつらうつらしていると松山に着いた。もう少し寝ていたいが仕方ない。降りて友人に来てもらう。友人宅まで歩いて行って荷物を置かせてもらい、伊予鉄の市内電車で松山駅に戻る。路面電車に随分久しぶりに乗ったが吊り掛けの駆動音にハマった。

松山駅
松山から普通列車で内子に行く。


内子駅前
駅前から静かで良い。かといって決して街が死んでいるわけではないので落ち着いた雰囲気だった。観光を押してはいるものの、そこまで作られた(イミテーションな)街並ではなく、生活感がある落ち着いた雰囲気だった。そこに住む人たちもどこか温かく、街全体の雰囲気が良かった。

内子座
内子座という歌舞伎劇場があって館内見学も普段は出来るようだが、残念ながら当日は夜から何かの公演があるとのことで館内には入れなかった。残念ではあるが、外見だけでも十分な風格があり、街と調和していて観光地として価値があるものだった。少し歩くと「商いと暮らし博物館」という薬局を改造した博物館があり、色々と昔の人の暮らしに思いをはせた。しかしここで一番痛感したのは写真の下手さ。友人に撮ってくれと頼まれても上手く撮れない。電車やらなんやらの記録のような写真ばっかり撮ってちゃいけませんな。人を撮ることの奥の深さを思い知らされた感じがした。

立入禁止

昔のオルガン(これにも開発秘話がありますよね)

この階段良いよね
昼食には鯛飯を食べた。愛媛では地方によって鯛飯が指す食べ物が違うらしく、ここでは今まで見たことが無い鯛の漬け丼というような感じのもので、美味しかった。それに値段も観光地価格ではなく良心的で助かった。家で再現したいが鯛が新鮮じゃないと美味しくないだろうから難しいか。是非また食べたい味だった。

鯛飯
内子の街を歩いて思ったのは、本当にそこに住む人たちの温かさを感じられるというところで、これは観光客の側も紳士的な振る舞いをしているからこそ出来ることなんだろうと思った。あまりにも有名になってしまった観光地はあまりマナーの良くない観光客が目立ってしまうが、多分ここではそのような事は少ないのだろう。街中にあった竹細工工房の職人さんに非常に親切丁寧に街の案内をしてもらい、その後ゆっくりと色々な話を聞かせて頂いた。我々が竹細工の工房から去った後、地元の小学生の女の子がその職人さんのところに遊びに行っていた。別のところでは歩く我々に中学生の子が挨拶をしてくれた。それも、適当なものではなくしっかりとこちらを見て丁寧に挨拶をくれた。京都でも出来ることかもしれないが、なかなかこうはいかない。こういった、なんというかゆるりとした空気が良かった。

街並

列車待ち

待ってようやく来た列車
その後、海に近い駅・下灘に移動し、伊予灘ものがたりという観光列車を撮り、ふたみ海岸という夕日スポットに歩いて行くか、いや走らないと間に合わないとかいう話をしながら走りだした時、丁度車に乗ろうとしたご夫婦の横を駆けたのだが、この時、乗っていくかと聞かれて有難いことに車に乗せてもらえた。乗せて下さったご夫婦と鉄道の話で盛り上がるとすぐ到着し、一時間ぐらい歩くかもしれない道のりをショートカットすることが出来た。感謝感激である。眺める夕日はとても綺麗だったんだけど、恋人の聖地らしい。周りはカップルだらけではえーすっごいという状態。男二人で夕日を眺めてもいいじゃない。

伊予灘ものがたり。下灘駅にて

たのしそう(棒読み)
日没を見届けたら伊予上灘駅で列車を待つ。駅前に猫が居て可愛がっていたのだが、飼い主の駅前商店主が「風呂入るぞー」と言いながら来ると逃げてしまった。その際、停めてあった自転車のペダルで頭を打っていたが大丈夫だろうか。

随分と待ってようやく来たキハの車内で爆睡して松山に戻った。眠い。
9/20
松山(友人宅-大手町-城山公園-道後温泉-松山城-高島屋-松山駅)-東予港-(オレンジフェリー船内)
友人と二人揃って11時ごろまで爆睡する。温かい時期だから、掛け布団に上着をかぶるだけで快適に寝ることが出来た。朝食にはオレンジフェリー船内で買って持ってきた栗タルトを食べて出発、郊外電車と市内電車のダイヤモンドクロスを見てから道後温泉に向かう。

ダイヤモンドクロス

道後温泉

坊っちゃん列車
しかしやっぱりシルバーウィーク、とんでもない人出で入浴はかなわなかった。ごった返した風呂に入るのもなあ…ということで周辺の商店街を歩く。じゃこ天と坊ちゃん団子がおいしかった。随分久しぶりに射的をしたら全く当たらず友人に仇を取ってもらうはめに…慣れないことは難しい。
再び市内電車に乗って(一日券を買ったので乗り放題)、松山城に登った。

リフト

横をロープウェーが走っていく
リフトで登って街を一望。リフトとロープウェーが併設されていたが、より面白そうだということでリフトにした。観光客に応対するガイドさんたちは漱石に合わせて大正ロマン的な格好をしていたがお城は戦国時代か江戸時代かじゃないのか?と突っ込みたくなったが美人が多かったのでどうでもよくなった。下山の後は城の前の公園でみこし祭りを見て今治のB級グルメ・焼豚玉子飯を食べた。遠くから見ていても神輿の迫力がすごく、見ているこちらもエキサイトした。
飯も食ったことだし、御土産を探しつつ大街道の商店街を歩く。一番大きい商店街といってもそこまで大きくは無い。京都や大阪みたいにアホみたいに広いよりもこの方がヨソ者には歩き疲れなくて良い。端まで歩くと高島屋があり、そこで土産にベタだがじゃこ天と一六タルトを購入。その後、伊予鉄の一日券で乗れるようなので屋上の観覧車に乗った。さっき神輿を担いでいた人たちが帰って行くのが見えた。トラックに積まれた神輿もあればそのまま車道を引かれていく行く神輿もあった。

観覧車より
友人宅に一旦帰り、晩飯に鯛の釜めしを食べた。愛媛には鯛の刺身が載る鯛飯と、鯛を炊き込む鯛飯があるが、どちらもやはりうまい。
見送ってもらって松山を離れた。また来たい。
そして今日の宿はおれんじ7。若干のくたびれは感じるものの快適だった。

船内

乗船券
減灯されたロビーで万年筆のペン先が妖しく光る。こういう瞬間が好きだ。この旅行、二人で語らうのもとても楽しく、一人旅と二人旅の両方の良さを詰め込んだ数日であった。そして先達はあらまほしき事なり、である。松山に住んでいる人に案内してもらったからこそ、無駄なくそして観光ガイドでは分からない色々な良いところを紹介してもらえた。友人H氏に感謝を申し上げたい。
…これで終わったと思うでしょ?家に帰るまでが旅行なので、もう少し続きます。
9/21
(オレンジフェリー船内)-あべのハルカス-帰宅
一旦6時ごろに起きるも、船内休憩が可能なので完全下船8時ギリギリまで寝る。まわりに誰もいなくなる中、一人で寝る。皆せっかちなのか降りるときにはほとんど人が居なくなっていて、ニュートラムが混んでいるということも無く何かと快適だった。閑散としたフェリーターミナル・南港バスターミナル・ニュートラム駅を見て、港湾地帯の開発運営って難しいのだろうなと思った。
今日は阿倍野ハルカスの「トーベ・ヤンソン展」に行く。10時からなので微妙に時間が余る。天王寺で優雅にモーニングと思い、スマホで調べてワッフルが有名な店がモーニングやってると知ったものの10時から営業らしく断念。たまたま見かけたカレー屋に入った。甘いものを求めたところに辛いものかと思ったが、まあ旨かったので良しとする。
ゆっくりしていると10時になり、広い天王寺一帯を歩いてハルカスにたどり着いた時には美術館が開いていた。しかも思ったより人が多い。しまった、開館前から並ぶべきだったかと思ったが仕方ない。ごった返して非常にゆっくりとしか作品を眺められないのでとことんまで鑑賞したら2時間かかった。既に野球でボロボロの足腰には応えた。
未だにムーミンを読んだことが無かったのでムーミンの知識もあまり無かったのだが、ムーミンの展示で初期のムーミンの顔の鼻と口や構想時点のニョロニョロが全く別物で本当によくわからない生物になっているのに驚いて非常に面白かった。初期のムーミンの挿絵が放つ妙な緊迫感がたまらなかった。本当に子供向けなんかいなと突っ込みたくなる。
ムーミンの展示も良かったのだが、それ以外のトーベヤンソンの芸術家としての作品も迫力があった。特に最後の自画像(1975)。これは実物を見た値打ちがあった。素人なので偉そうなことは言えないが、圧倒的な才能と長年にわたる活動による円熟味を、それは凄いエネルギーとして感じた。大袈裟な話ではなく、心が震えて耐えきれず涙が出そうになったぐらいだ。絵を見てから横に貼ってあった解説を見たのだが、「ああ、そうだろうな」と。あの絵に解説など無くても色々と伝わってきた。
併設されていたショップに寄ったが絶望的な混雑と価格設定で何も買えなかった。もともと買う気がなかったしまあ良いか…。
帰宅する電車で疲れ果てて爆睡し、乗り過ごした。高校時代以来だ。
その二日後、北海道に向けて出発する。なんでこんなスケジュールになったのか…
※縦向きの写真が何故か横向きになっていますがご容赦ください。
9/18
京都-大阪南港-(オレンジフェリー船内)
夜出発…のはずが、急遽野球の用事が入って午前中に太陽ヶ丘まで自転車で行くことに。結果として早起きしたのに全然用意が出来ず、しかも出発前に見ておきたかった蒼き鋼のアルペジオを見ていたりなんやかんやしているともう日が暮れてしまう。疲労困憊の中で慌てて準備を整えてさあ出発。旅行なんかでいつも帰るのと違う方向の電車に乗る時ってワクワクする。いつもの駅も違って見える。
淀屋橋で地下鉄に乗り換えて、駅設置の時刻表が「←2~4分間隔→」だったのが全部時刻が書きこまれているようになっている?と疑問に思ったりとか中央線で千日前線用25系を見かけたりして一人で盛り上がっていると南港フェリーターミナルに到着。

南港フェリーターミナル

ポスターがかわいい
予約していた番号を記入して窓口に渡して乗船する。フェリーが予約できてよかった。夜行バスがシルバーウィークでことごとく満席で焦ったのだが、フェリーはその点キャパが大きいので多客期でも頼りになって良い。


そこそこ混んでいることだし、まず船内でご飯にする。しかし、ここで私はシルバーウィークを甘く見ていたことを悔いることになる。レストランにはまさかの長蛇の列。しかも困ったことにはそれに対応する船員が3人しかいない。客の量に対し処理が追い付いていない。並んでいる間に9:45を回ってしまい厨房を閉じるためにメニューが少なくなってしまう。カツ丼が食べたかったのにアサリの酒蒸しとカレーになってしまった。

ただ、食べてみるとどっちにしろおいしいので文句はあまり無い。一つ文句を言うとしたら、アサリの砂抜きが甘いということぐらいか。まあこれも予想できたことなのでまあ良い。アサリは410円だが大量に入っていて飽きるぐらいアサリを堪能させて頂いた。カレーはまあ普通のもの。レトルトなのかよくわからんがおいしい。量もそこそこ。
食事を終え、船内散策へ。内装が豪華で良い。最上階には展望ラウンジがあり、自動演奏ピアノが優雅さを演出している。


船員が片手間で弾くとかいうことは無いようだ。確か新日本海フェリーに乗った時は船員かプロの人の演奏会があったような気がするし、やっても良いんじゃないかなと思ったが、音楽のワカラン私にとっては上品なピアノの音色だけで幸せになれて良かった。とにかく、パブリックスペースが多いというのは快適で良い点である。


外へ出るともう(もっとも、時間的に当たり前)真っ暗で、明石海峡大橋が遠くに見える。暗くて遠くに街の明かりが見えるというロマンチックな景色だからか、階段やら手すりやらに腰かけたりもたれたりして愛を語り合うカップルが多くて閉口したが(苦笑)、展望デッキも他のフェリーより歩ける範囲は広いように感じた。瀬戸内海だからか電波が入りやすいのも良いところ。大学の友人がフェリーを嫌がる大きな理由に「電波が入らない」というのがあってあんたらスマホ中毒かと思ったがこれなら大丈夫である。
一通り回ったら風呂に入った。フェリーを利用する度に移動+宿+風呂で併せて考えると運賃は安いと思うが、オレンジフェリーは風呂も充実していてしょぼい銭湯となら互角、いやそれ以上に渡り合えるのではなかろうか。サウナもついていて、普段の風呂には無い楽しみがあった。しっかりと石を焚いていて、温度も良かった。私は本場フィンランド流に少しでも近い入り方をする為にサウナの後に水風呂に入るのだが、若干ぬるくてまあそれも丁度良かった。客が多すぎてシャワーの湯加減が安定しなかったのだけが不満だったが、まあ仕方ない。
風呂上がりに展望室でリアルゴールドとココナッツサブレを飲み食いしながらこの日記を書いている。明日は6時到着で早い。そろそろ寝るか、宅建の勉強をするか…。
9/19
(オレンジフェリー船内)-東予港-今治-松山-内子-下灘-伊予上灘-松山
朝、空調が寒くて起きる。寒かったこともあり、眠りが浅かった。5時15分頃に目が覚めた。二度寝を考えたがもうすぐ5時半、眠いがもう起きることにした。しばらくすると船員さんが電気を点けに来て、船内は明るく、そしてメロディが流れるようになった。身支度をして展望甲板へ行くと丁度良い清々しい風が吹いていた。近くに見えた東予の港はもうすぐ日の出。船内に戻ると朝食にもやはり長蛇の列。シルバーウィーク侮り難し。


やがて下船の6時に。無料(ここ重要!)連絡バスに乗り換えて今治を目指す。

今治まで相当な距離があるが無料で、しかも時間を合わせて運転されるバスは非常にありがたい。

今治駅
今治駅からは折角の機会なので特急いしづちに乗ってみた。普通が思ったよりゆっくり走るので、まあ500円ぐらい贅沢してもよかろう。2000系は振り子式車両でカーブの度に傾斜がかかり、ふわりとした独特な乗り心地であった。これで酔う人もいるそうだが(同じ振り子式でも381系とか酷いみたいですね)、私は気に入った。意外だったのが車内に通学と思しき高校生が多くいたこと。このへんでは通学に特急が使われるのだろうか。確かに、普通列車は遅いし本数が少ないし不便であるが、関西ではあまり見ない光景だったので意外だった。特急定期があるのか知らないが、速達列車で快適に通学する方が貴重な時間を浪費しなくて良いだろう。大学生になった今となって痛感することだが、特に高校生活では時は金なりである。

普通列車

特急2000系
起きた時間が時間なのでうつらうつらしていると松山に着いた。もう少し寝ていたいが仕方ない。降りて友人に来てもらう。友人宅まで歩いて行って荷物を置かせてもらい、伊予鉄の市内電車で松山駅に戻る。路面電車に随分久しぶりに乗ったが吊り掛けの駆動音にハマった。

松山駅
松山から普通列車で内子に行く。


内子駅前
駅前から静かで良い。かといって決して街が死んでいるわけではないので落ち着いた雰囲気だった。観光を押してはいるものの、そこまで作られた(イミテーションな)街並ではなく、生活感がある落ち着いた雰囲気だった。そこに住む人たちもどこか温かく、街全体の雰囲気が良かった。

内子座
内子座という歌舞伎劇場があって館内見学も普段は出来るようだが、残念ながら当日は夜から何かの公演があるとのことで館内には入れなかった。残念ではあるが、外見だけでも十分な風格があり、街と調和していて観光地として価値があるものだった。少し歩くと「商いと暮らし博物館」という薬局を改造した博物館があり、色々と昔の人の暮らしに思いをはせた。しかしここで一番痛感したのは写真の下手さ。友人に撮ってくれと頼まれても上手く撮れない。電車やらなんやらの記録のような写真ばっかり撮ってちゃいけませんな。人を撮ることの奥の深さを思い知らされた感じがした。

立入禁止

昔のオルガン(これにも開発秘話がありますよね)

この階段良いよね
昼食には鯛飯を食べた。愛媛では地方によって鯛飯が指す食べ物が違うらしく、ここでは今まで見たことが無い鯛の漬け丼というような感じのもので、美味しかった。それに値段も観光地価格ではなく良心的で助かった。家で再現したいが鯛が新鮮じゃないと美味しくないだろうから難しいか。是非また食べたい味だった。

鯛飯
内子の街を歩いて思ったのは、本当にそこに住む人たちの温かさを感じられるというところで、これは観光客の側も紳士的な振る舞いをしているからこそ出来ることなんだろうと思った。あまりにも有名になってしまった観光地はあまりマナーの良くない観光客が目立ってしまうが、多分ここではそのような事は少ないのだろう。街中にあった竹細工工房の職人さんに非常に親切丁寧に街の案内をしてもらい、その後ゆっくりと色々な話を聞かせて頂いた。我々が竹細工の工房から去った後、地元の小学生の女の子がその職人さんのところに遊びに行っていた。別のところでは歩く我々に中学生の子が挨拶をしてくれた。それも、適当なものではなくしっかりとこちらを見て丁寧に挨拶をくれた。京都でも出来ることかもしれないが、なかなかこうはいかない。こういった、なんというかゆるりとした空気が良かった。

街並

列車待ち

待ってようやく来た列車
その後、海に近い駅・下灘に移動し、伊予灘ものがたりという観光列車を撮り、ふたみ海岸という夕日スポットに歩いて行くか、いや走らないと間に合わないとかいう話をしながら走りだした時、丁度車に乗ろうとしたご夫婦の横を駆けたのだが、この時、乗っていくかと聞かれて有難いことに車に乗せてもらえた。乗せて下さったご夫婦と鉄道の話で盛り上がるとすぐ到着し、一時間ぐらい歩くかもしれない道のりをショートカットすることが出来た。感謝感激である。眺める夕日はとても綺麗だったんだけど、恋人の聖地らしい。周りはカップルだらけではえーすっごいという状態。男二人で夕日を眺めてもいいじゃない。

伊予灘ものがたり。下灘駅にて

たのしそう(棒読み)
日没を見届けたら伊予上灘駅で列車を待つ。駅前に猫が居て可愛がっていたのだが、飼い主の駅前商店主が「風呂入るぞー」と言いながら来ると逃げてしまった。その際、停めてあった自転車のペダルで頭を打っていたが大丈夫だろうか。

随分と待ってようやく来たキハの車内で爆睡して松山に戻った。眠い。
9/20
松山(友人宅-大手町-城山公園-道後温泉-松山城-高島屋-松山駅)-東予港-(オレンジフェリー船内)
友人と二人揃って11時ごろまで爆睡する。温かい時期だから、掛け布団に上着をかぶるだけで快適に寝ることが出来た。朝食にはオレンジフェリー船内で買って持ってきた栗タルトを食べて出発、郊外電車と市内電車のダイヤモンドクロスを見てから道後温泉に向かう。

ダイヤモンドクロス

道後温泉

坊っちゃん列車
しかしやっぱりシルバーウィーク、とんでもない人出で入浴はかなわなかった。ごった返した風呂に入るのもなあ…ということで周辺の商店街を歩く。じゃこ天と坊ちゃん団子がおいしかった。随分久しぶりに射的をしたら全く当たらず友人に仇を取ってもらうはめに…慣れないことは難しい。
再び市内電車に乗って(一日券を買ったので乗り放題)、松山城に登った。

リフト

横をロープウェーが走っていく
リフトで登って街を一望。リフトとロープウェーが併設されていたが、より面白そうだということでリフトにした。観光客に応対するガイドさんたちは漱石に合わせて大正ロマン的な格好をしていたがお城は戦国時代か江戸時代かじゃないのか?と突っ込みたくなったが美人が多かったのでどうでもよくなった。下山の後は城の前の公園でみこし祭りを見て今治のB級グルメ・焼豚玉子飯を食べた。遠くから見ていても神輿の迫力がすごく、見ているこちらもエキサイトした。
飯も食ったことだし、御土産を探しつつ大街道の商店街を歩く。一番大きい商店街といってもそこまで大きくは無い。京都や大阪みたいにアホみたいに広いよりもこの方がヨソ者には歩き疲れなくて良い。端まで歩くと高島屋があり、そこで土産にベタだがじゃこ天と一六タルトを購入。その後、伊予鉄の一日券で乗れるようなので屋上の観覧車に乗った。さっき神輿を担いでいた人たちが帰って行くのが見えた。トラックに積まれた神輿もあればそのまま車道を引かれていく行く神輿もあった。

観覧車より
友人宅に一旦帰り、晩飯に鯛の釜めしを食べた。愛媛には鯛の刺身が載る鯛飯と、鯛を炊き込む鯛飯があるが、どちらもやはりうまい。
見送ってもらって松山を離れた。また来たい。
そして今日の宿はおれんじ7。若干のくたびれは感じるものの快適だった。

船内

乗船券
減灯されたロビーで万年筆のペン先が妖しく光る。こういう瞬間が好きだ。この旅行、二人で語らうのもとても楽しく、一人旅と二人旅の両方の良さを詰め込んだ数日であった。そして先達はあらまほしき事なり、である。松山に住んでいる人に案内してもらったからこそ、無駄なくそして観光ガイドでは分からない色々な良いところを紹介してもらえた。友人H氏に感謝を申し上げたい。
…これで終わったと思うでしょ?家に帰るまでが旅行なので、もう少し続きます。
9/21
(オレンジフェリー船内)-あべのハルカス-帰宅
一旦6時ごろに起きるも、船内休憩が可能なので完全下船8時ギリギリまで寝る。まわりに誰もいなくなる中、一人で寝る。皆せっかちなのか降りるときにはほとんど人が居なくなっていて、ニュートラムが混んでいるということも無く何かと快適だった。閑散としたフェリーターミナル・南港バスターミナル・ニュートラム駅を見て、港湾地帯の開発運営って難しいのだろうなと思った。
今日は阿倍野ハルカスの「トーベ・ヤンソン展」に行く。10時からなので微妙に時間が余る。天王寺で優雅にモーニングと思い、スマホで調べてワッフルが有名な店がモーニングやってると知ったものの10時から営業らしく断念。たまたま見かけたカレー屋に入った。甘いものを求めたところに辛いものかと思ったが、まあ旨かったので良しとする。
ゆっくりしていると10時になり、広い天王寺一帯を歩いてハルカスにたどり着いた時には美術館が開いていた。しかも思ったより人が多い。しまった、開館前から並ぶべきだったかと思ったが仕方ない。ごった返して非常にゆっくりとしか作品を眺められないのでとことんまで鑑賞したら2時間かかった。既に野球でボロボロの足腰には応えた。
未だにムーミンを読んだことが無かったのでムーミンの知識もあまり無かったのだが、ムーミンの展示で初期のムーミンの顔の鼻と口や構想時点のニョロニョロが全く別物で本当によくわからない生物になっているのに驚いて非常に面白かった。初期のムーミンの挿絵が放つ妙な緊迫感がたまらなかった。本当に子供向けなんかいなと突っ込みたくなる。
ムーミンの展示も良かったのだが、それ以外のトーベヤンソンの芸術家としての作品も迫力があった。特に最後の自画像(1975)。これは実物を見た値打ちがあった。素人なので偉そうなことは言えないが、圧倒的な才能と長年にわたる活動による円熟味を、それは凄いエネルギーとして感じた。大袈裟な話ではなく、心が震えて耐えきれず涙が出そうになったぐらいだ。絵を見てから横に貼ってあった解説を見たのだが、「ああ、そうだろうな」と。あの絵に解説など無くても色々と伝わってきた。
併設されていたショップに寄ったが絶望的な混雑と価格設定で何も買えなかった。もともと買う気がなかったしまあ良いか…。
帰宅する電車で疲れ果てて爆睡し、乗り過ごした。高校時代以来だ。
その二日後、北海道に向けて出発する。なんでこんなスケジュールになったのか…
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コメント
アルペジオ見に行かねば…しかし財布が…
> フェリーいいっすね、船の揺れは苦手だけど甲板で潮風に当たるのは気持ちがいい。
> アルペジオ完結編ほんとよかったです。週替わりの特典付くから毎週楽しめるゾ(カモ)
2015-10-10 23:56 芳鉄DX URL 編集
アルペジオ完結編ほんとよかったです。週替わりの特典付くから毎週楽しめるゾ(カモ)
2015-10-08 01:39 M URL 編集